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「KILL BILL」(with DVD) [映画レビュー(洋画)]


監督 / クエンティン・タランティーノ
出演 / ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、ルーシー・リュー、千葉真一、他
ギャガ・ヒューマックス共同配給 / 2003年 / アメリカ / 108min. /
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この映画を観終わって直ぐ、私はここに何と感想を書けばいいのかわからなかったのが本音。どの画面も人体切断されて血飛沫が飛んでいる、または暴力的なシーンばかりだった気がしてならない。一体、タランティーノが何を伝えたかったのかもわからなかったのもあり(もしかしたら、メッセージ性は元からないのかもしれない)…不思議な映画だったな、そしてちょっとグロかったな、と途方に暮れていました。
映画は108分と短めなはずなのに、私には本当に長く感じられました。たぶん、上で述べた暴力的なシーンが多すぎるのが原因でしょうが、疲れた。血がそこまで生々しくなかったのが救いです。
まぁ、監督が何を伝えたかったはどうであれ、作品の雰囲気はどちらかというと好きなほうでした。キャラクターの個性が強すぎる、というと悪い印象を植え付けてしまうかもしれませんが、それがこの映画では調度いいくらい。漫画からそのまま出てきたような彼ら、そして激しく間違っている日本のイメージ、所々で挿入されるわざとらしい日本語(本人達が真剣だったら申し訳ないけど)が笑いを誘う。また、オーレンの出生のアニメが日本の技術の素晴らしさを伝えている。
プロローグで流れていた挿入歌、ナンシー・シナトラの「Bang Bang」は妙に気に入ってしまいました。映画と言うのはこういう出会いもあるんだな、とたまに思う。いい出会いをありがとう。
だけど、やっぱりできるだけ幼い子には観て欲しくない。この映画を観たことによって影響を受け、フェシズムが生まれる訳じゃないけど…R-15指定はつけてもOKでは。

キル・ビル Vol.1

キル・ビル Vol.1

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ / ジェネオン エンタテインメント
  • 発売日: 2004/04/16
  • メディア: DVD


ハウ・ダズ・ザット・グラブ・ユー?

ハウ・ダズ・ザット・グラブ・ユー?

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
  • 発売日: 2006/06/21
  • メディア: CD


「NATIONAL TREASURE」(with DVD) [映画レビュー(洋画)]


監督 / ジョン・タートルトーブ
出演 / ニコラス・ケイジ、ダイアン・クルーガー、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ヴォイト、ショーン・ビーン、他
ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン) / 2004年 / アメリカ / 131min. /
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映画館で観たいと思っていたものの見逃してしまった作品だったので、さっそくレンタルしました。ニコラス・ケイジが出演している映画を観るのはこれが初めて、名前はよく聞くんですけどね。彼は”お宝を求めて親子三代人生を捧げてしまっている、ある意味冴えない主人公”を演じていたのですが、いい味だしてました。ああ、これって彼だからこその役だ、と納得。それにしても、ジャスティン・バーサはいい役に配置されてましたねー。
これを見る前に「THE DAVINCI CODE」を観てしまったために、謎解き進行映画はつまらない、という偏見を持ってしまったのですが、それを十分に覆してくれた作品です。謎解き進行映画、というのはどうしても観客を置いて行きがちなジャンルなので、まとめ方が上手かったのだ思います。それにしても、細かいところの設定がいい。謎解きに必要な道具が世界的に重要なアレだったり、発砲されたらアレでガードしたり…本当に頭がいい設定だな、と思わず頷いてしまいました。アクションアドベンチャーであるのに現代のものを舞台に大量に取り込みつつも非現実で終わらなかった、という点も感心します。
無駄なシーンがなく、一つの謎にだらだら時間をかけないので話がテンポ良く進み、観ていて飽きることがありません。期待以上の作品、家族で週末の夜にでも観たりするといいかと。
続きモノが製作されないかな、と思いますが(ほんとうに面白かったので!)、主人公達は十分に幸せになってしまったのでお宝を探すことはもうないでしょう(笑)

ナショナル・トレジャー 特別版

ナショナル・トレジャー 特別版

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2006/07/07
  • メディア: DVD


「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」 [映画レビュー(邦画)]


監督 / 水田伸生
出演 / 須賀健太、篠原涼子、西村雅彦、北村一輝、安藤希、他
松竹 / 2006年 / 日本 / 123min. /
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笑って、泣けて、考える、邦画としては久しぶりの優秀作ではないでしょうか。漫画原作で映画化し失敗している作品が多い中、十分成功した映画かと言えるでしょう。しかし、成功した、といっても原作とは関連性をあまり持っていない気がします…原作を読んでみたのですが、ほぼ全く違う内容なのですね。ちょっとがっかり。原作のことを忘れて観ることが出来たら、本当に泣けます。二回観に行ったのですが、どちらもぼろぼろ泣いていました。
花田一路役の須賀健太くんはいわずもがな名子役、観てて楽しいですね。篠原涼子は以前からのイメージをいい意味で一変、田舎町のかあちゃんといった観ていて気持ちのいい演技でした。北村一輝は、いい悪役…だったのかな。人間の汚さと惨めさは出ていましたけど、もうちょっと頑張ってもいいと思いました。安藤希はちょっと選択ミス、もはや女子高生ではない…それなのに、CGシーンの美しさに騙されそうになってしまった自分は嫌。
テーマは少々重いといえば重いのですが、家族の愛を知る、ということで家族向けなのでしょう。小学生ぐらいのお子さんなら、話の内容を理解してもらえたらいいな。全体的に、非常に好感の持てる作品。しかし、最後の辺りの北村と安藤の決闘シーンはちょっと苦笑い。なぜこんなシーンを入れてしまったのか不思議。
エンディングはその後の彼ら、といった感じのストーリー性がありました。面白いのでぜひ最後まで目を通してみては。私も死んだ後はピースサインで写真に写りたいものです(笑) バックに流れるサンボマスターの「愛しさと心の壁」が個人的に好きでした。
もし時間があれば、TVアニメの方もレンタルして観てみようかな、と思っています。アニメの方が、原作に忠実になっているかと思いますので。

花田少年史 DVD-BOX

花田少年史 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2006/08/02
  • メディア: DVD

花田少年史(1)

花田少年史(1)

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2003/03/19
  • メディア: DVD


「日出処の天子 / 山岸凉子」 [その他レビュー]

この作品は今年の初夏、偶然に近所の古本屋で手にとって出会った本です。「日出処の天子」という題の書かれた背表紙に惹かれ、手に取ってみたら山岸さんの絵に惹かれ、立ち読みしてみたら内容に惹かれ…と、トントン拍子で世界に引き込まれていきました。私が厩戸王子(聖徳太子)が歴史上の人物で最も好きだから、というのもきっかけの一つにありますが(笑)
作品の全体的な雰囲気としては、一言でまとめると"耽美"(山岸作品はこの傾向が強いようです)。線が均等に細く、描写が非常に細かいです。初めて仏の描写を見た時、こんな方が少女漫画界で存在されていたことに驚きました。作品の主な内容は、厩戸王子と蘇我毛人との魂の繋がりですが、同性愛という受け入れにくいテーマを自由に描きつつも、それでいてしっかりと歴史の流れを掴んで、壊さぬよう、物語を勧めているのですから不思議です。
また、セリフの一言一言にとても重みがあると思います。小説としても、十分いけるのではないでしょうか。言葉が洗練されていて、抽象的でありながらも登場人物の心情を的確に表しています。特に気に入っているのが「自己が自己らしくあるためには / いやわたしが人間らしくあるためには / 毛人に補われねばならぬというのか! / わたしの理性や感情をもはるかに超えて / もっと奥深い根源的なところで / 必要としている鍵は毛人だというのか!?」という厩戸王子の独白シーン(4巻より抜粋)
この言葉が作品の中でも胸を締め付けます。ここで厩戸王子は"人間としての存在"ではない自分を、唯一自分を"人間らしく"するのが毛子の"愛"であると悟るのですが、今までその姿をありありと見てきた我々読者達はとても辛い。また、毛子を"鍵"という表現で"私の中から欠けてはならない一部"、という重要性を理解している厩戸王子の心情を考えると、哀しい。一読者としては、厩戸と毛子とが結ばれて欲しかったものの、そんな作品にしてしまったら歴史が狂ってしまう。その点では、山岸さんは一番彼らにとって幸せな道を導いて、描いたのだろう。…と、そういうことを一人で悶々と考えている。彼女の作品の中でも際立つ名作である、機会があれば読んでほしい。
…なぜ急にこう漫画を勧めたのかというと、自分の誕生日に大好きな本を叫びたかったためです。以上、この辺りで(笑)

日出処の天子 (第1巻)

日出処の天子 (第1巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


日出処の天子 (第2巻)

日出処の天子 (第2巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


日出処の天子 (第3巻)

日出処の天子 (第3巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


日出処の天子 (第4巻)

日出処の天子 (第4巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


日出処の天子 (第5巻)

日出処の天子 (第5巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


日出処の天子 (第6巻)

日出処の天子 (第6巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


日出処の天子 (第7巻)

日出処の天子 (第7巻)

  • 作者: 山岸 凉子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 1994/03
  • メディア: 文庫


「真夜中の弥次さん喜多さん」(with DVD) [映画レビュー(邦画)]


監督 / 宮藤官九郎
出演 / 長瀬智也、中村七之助、小池栄子、阿部サダヲ、柄本佑 、他
アスミック・エース エンタテインメント / 2005年 /日本 / 124min. /
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これは映画館で観てみたい、と思っていた作品だが叶わなかった作品でした。今回この作品を自宅で観て大笑いした私、劇場に行ってたら大迷惑だったのか。それとも観客は全員一緒に笑ってくれていたのだろうか。
この作品、私が実際予想していたものとは全く違うものだった。もちろんいい意味で。宮藤官九郎の作品に興味を持ったことはあまりなかったけれど、「ゼブラーマン」を観てから少しずつ彼の作品に興味を持ち始めている。よく考えてみたら、彼がなんらかの形で手掛けている作品は気持ち悪いくらいヒットしている、若さと斬新さだろうか。私は彼の斬新な作品のつくりに惹かれた。
冒頭の、ハーレーダビットソン(であってるかな?)で江戸を飛び出して行く(そして岡引のおいちゃんに「今は江戸時代だ!歩いていけ!!」とつっ込まれて、結局は歩いていくことになる)シーンなど何ともおかしい。その後も、あれよあれよと腹がよじれてしまう。長瀬智也と中村七之助のキスシーンは笑っていいのかどうか困ったが、本人達は演技として真剣だと思うと失礼な気がした(苦笑)
しかし、ただ笑って終わるだけの映画ではないと断言できるのは確かだ。弥次さんと喜多さんが織り成すゲイのアツアツ大恋愛、で終わるわけでもない。ヤク中の喜多さんが伊勢へ、「リアル」を探しに旅立ったのには私も共感できる部分があった。江戸は「薄っぺら」、リアルではないと彼は言う。しかし、伊勢が「リアル」という保証だってどこにもない。それでも伊勢を目指した二人、その先には何が見えていたのだろうか。私も自分の行く先はわからない、だけど、歩んで行っている。不均衡な明日だが、信じているのだ。
「リアル」に関することの他にも、ヤク中に関するショート・ショートなどには考えさせられる。笑いながらも、真剣に観て欲しいな。

真夜中の弥次さん喜多さん DTS スペシャル・エディション(初回限定生産 おいらとおめぇの弁当箱版)

真夜中の弥次さん喜多さん DTS スペシャル・エディション(初回限定生産 おいらとおめぇの弁当箱版)

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2005/10/07
  • メディア: DVD


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